はじめに
「日々の記録作業に追われ、気づけば終業時間…」
「急な対応が入り、立てていたスケジュールが意味をなさなくなる…」
「山積みの書類の中から、あの情報を見つけ出すのが一苦労…」

これは7年間のケアマネジャー業務、特に前任者から引き継いで間もない頃の私の日常でした。利用者さんのために時間を使いたいのに、事務作業に忙殺され、スケジュール管理に悩み、もどかしい思いを抱える日々。
あなたも、同じような悩みを抱えていませんか?
しかし、ご安心ください。ある「方法」を実践したことで、私は誇張なく、これらの事務作業時間を1/10にまで削減することに成功したのです。
この記事では、私が主任ケアマネジャーになるまでの経験で培った、明日から誰でも実践できる「業務効率化の具体的なノウハウ」を余すところなくお伝えします。
鉄則1:スケジュールと記録は「スマホ」で完結させる
まず、業務効率化の第一歩として絶対に外せないのがスマートフォンの徹底活用です。特に、私が強くお勧めするのはiPhoneまたはGoogle Pixelです。できれば2台持ち出来ると尚効率が良くなります。
課題:手帳管理の限界
かつての私も、手帳でスケジュール管理をしていました。しかし、これには多くの落とし穴がありました。
- 予定のダブルブッキングが発生する
- 急な予定変更に対応しづらい
- 過去の訪問記録の振り返りが困難
- 殴り書きしたメモが、後で読めない、または紛失する
訪問日時を間違えて利用者さんや施設スタッフさんや病院のスタッフさんに謝罪した経験は、一度や二度ではありません。
解決策:スマホのカレンダーと音声入力
この状況を劇的に変えたのが、スマートフォンの「カレンダー機能」と「音声入力」でした。

- スケジュール管理 → カレンダーアプリ
- ダブルブッキングを防いでくれます。
- 訪問先や会議の場所を登録すれば、移動時間も一目瞭然。
- メモ機能に利用者さんのサービスの利用状況や日常の特記する事項を記載できる。
- 記録作成 → 音声入力
- これが革命的でした。紙にメモし、後でPCに打ち込んでいた支援経過記録。以前は1件15分~20分かかっていた作業が、今ではこうなりました。
- 訪問後、すぐにスマホに向かって話す(約40秒)
- 音声入力されたテキストをコピー
- ケアマネソフトに貼り付けし、文章内容を少し整える(約1分)
鉄則2:議事録作成は「録音とAI」に任せる
担当者会議やカンファレンス後の議事録作成も、大きな負担の一つです。思い出しながら作成し、資料を見返していると、あっという間に40分~50分が過ぎてしまいます。
解決策:ボイスレコーダーと生成AI
ここでもスマートphoneやiPadが活躍します。

- 会議をボイスレコーダーで録音する
- (許可を得た上で)会議内容を全て録音します。Google Pixelのレコーダーアプリは、話者を識別しながらリアルタイムで文字起こししてくれる優れものです。iPhoneも新しい機種だと録音して文字起こし機能があります。(iPhone15Proは確認済み)
- 文字起こしデータをAIで整形する
- 自動で作成された文字起こしテキストを、ChatGPTやGoogle Geminiなどの生成AIに読み込ませ、「この内容を議事録として要約・整形してください」と指示します。この時に個人情報が特定されるような名前や住所や電話番号は○○や××、又はAさんやBさんに置き換えましょう。
- 最終確認して完成
- AIが作成した議事録をそのまま記録用ファイルに張り付けする。
この方法で、50分かかっていた議事録作成が、今ではわずか5分で完了します。
鉄則3:書類は「クラウドとネットFAX」で一元管理する
事務所のキャビネットを圧迫する大量の紙ファイル。これも、業務効率を低下させる大きな原因です。
解決策:ペーパーレス化の推進
私の事業所では、契約書など原本保管が必須なもの以外、徹底的にペーパーレス化を進めました。
- クラウドストレージの活用(Google Drive / OneDrive)
- 利用者さんから署名をいただいた書類は、スマホのスキャナアプリで撮影してPDF化し、クラウドに保存します。
- ファイル名に「〇〇様_モニタリング報告書_202506」のようにルールを決めれば、検索は一瞬です。
- 「2025年3月31日終了」などと追記すれば、過去の記録管理も容易になります。
- インターネットFAXの導入
- FAXの送受信をPCやスマホで行えるサービスです。
- 受信したFAXは自動でPDF化されるため、そのままクラウドに保存できます。印刷する手間も、紙の管理も不要です。
これにより、書類探しの時間がなくなり、ファイルの保管スペースも大幅に削減。いつでもどこでも必要な情報にアクセスできる、機動力のある業務スタイルが実現しました。
まとめ:効率化で生まれた時間を、本来使うべき場所へ
ご紹介したテクニックは、ほんのさわりの部分です。
事務作業の時間を1/10に削減できたことで、私には多くの「ゆとり」が生まれました。その時間を、実績や提供票の入力といった他の業務に充てることもできます。
しかし、最も大きな価値は、本来ケアマネジャーが最も大切にすべき「利用者さんやご家族と向き合う時間」「より良いケアを考える時間」を確保できることです。
このブログでは、これからも私が実践している業務効率化の深掘り情報や、厚生労働省のQ&Aの分かりやすい解説など、多忙なケアマネジャーの皆さんの助けとなる情報を発信していきます。
あなたのケアマネジメント業務が、明日から少しでも楽になることを心から願っています。
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