【ケアマネの仕事】どんな業務をしているの?現場のリアルな1ヶ月の流れを解説!

ケアマネの事について

はじめに

「ケアマネージャー(介護支援専門員)って、具体的にどんな仕事をしているの?」

介護サービスを利用している方や、そのご家族、そしてこれからケアマネを目指す方にとって、意外と知られていないのがその具体的な業務内容かもしれません。

別の記事では、ケアプランを作成するまでの一連の流れ(インテーク→アセスメント→ケアプラン作成→モニタリング)という、PDCAサイクルについてお話ししました。

今回はさらに一歩踏み込んで、ケアマネージャーが日々どんな業務を行い、どのようなスケジュールで動いているのか、そして、どんな機関と連携して利用者を支えているのかについて、現場のリアルな声を交えながら詳しく解説していきます!

ケアマネージャーの主な業務内容とは?

ケアマネージャーの仕事は、単にケアプランを作るだけではありません。利用者様が適切なサービスを受けられるように、多岐にわたる業務をこなしています。主な業務は以下の通りです。

  • ケアマネジメント業務: 利用者様やご家族との面談(インテーク)、課題分析(アセスメント)、ケアプランの作成、サービス担当者会議の開催、定期的な状況確認(モニタリング)など、一連の支援プロセスを管理します。
  • 給付管理業務: 利用者様が利用した介護サービスの費用を計算し、国民健康保険団体連合会(国保連)に介護給付費を請求する業務です。これは、介護保険制度の根幹を支える非常に重要な仕事です。
  • 連携・調整業務: 利用者様を中心に、主治医やサービス事業所、行政、地域包括支援センターなど、多くの関係者・関係機関と連携し、情報共有や連絡調整を行います。
  • 相談援助業務: 利用者様やご家族からの様々な相談に対応し、必要な情報提供やアドバイスを行います。

【現場発】ケアマネージャーのリアルな1ヶ月のスケジュール

ケアマネージャーの業務は、毎月決まったサイクルで進んでいきます。ここでは、私が実際に経験している1ヶ月の仕事の流れをご紹介します。

月初(1日〜10日頃):請求業務に集中!

月が明けると、ケアマネの事務所は一気に慌ただしくなります。この時期は「給付管理業務」という、いわば経理のような仕事がメインです。

  1. 実績の確認・入力:
    前月に各サービス事業所(デイサービス、訪問介護など)が提供したサービスの実績が、私たちの元に届きます。その内容に間違いがないか、ケアプラン通りのサービスが提供されたかを確認し、システムに入力していきます。
  2. 国保連への請求(レセプト作成):
    ここが最も重要な業務です。
    • 要支援の方の場合(3日〜4日頃まで):実績の入力を済ませ、各担当地域の地域包括支援センターへ実績データを送信します。
    • 要介護の方の場合(10日まで):全てのサービス実績の入力を終え、事業所の管理者が内容を最終チェックした後、国民健康保険団体連合会(国保連)へ「こんなにサービスを使ったので、費用をください」という請求データ(レセプト)を送信します。この期日は絶対厳守なので、毎月緊張感が走ります。

月中(11日〜20日頃):利用者様との対話とプラン調整

請求業務が一段落すると、利用者様と直接関わる業務が増えてきます。

  • モニタリング訪問:
    利用者様のお宅へ定期的に訪問し、心身の状態の変化はないか、サービスは適切か、困りごとはないかなどを確認します。ここで利用者様やご家族の生の声を聞くことが、次の支援への大切なヒントになります。
  • 急な状況変化への対応:
    モニタリングの際に「体調が悪くてデイサービスを休みたい」「新しいサービスを試したい」といったご相談を受けることも少なくありません。また、急な入院や退院の連絡が入ることも日常茶飯事です。そうした変化に迅速に対応し、主治医や事業所と連携して、サービス内容を柔軟に調整します。
  • 生活保護受給者の方の書類提出(15日〜20日頃):
    生活保護を受給されている利用者様については、翌月分のサービス利用予定表を作成し、各市町村の生活支援課(福祉事務所)へ提出します。

月末(21日〜末日頃):翌月の準備期間

月の終わりが近づくと、翌月の準備に取り掛かります。

  • 翌月の利用票・提供票の作成・配布(25日前後):
    モニタリングで確認した内容や、利用者様の希望を元に、翌月のサービス利用スケジュール表である「利用票」と、各事業所へお渡しする「提供票」を作成します。
  • サービス事業所への連絡:
    作成した提供票を、訪問介護、デイサービス、福祉用具など、関わっている全てのサービス事業所へお渡し(郵送や手渡し)し、翌月の支援内容について最終確認を行います。

ケアマネージャーが連携する主な人々

上記のスケジュールを見ていただくとわかる通り、ケアマネージャーは常に多くの人と連携しながら仕事をしています。

  • 利用者様とそのご家族:支援の中心となる最も大切なパートナーです。
  • 介護サービス事業所:ヘルパー、デイサービス、訪問看護、福祉用具など、具体的なサービスを提供する専門職チームです。
  • 医療機関:主治医や病院の相談員と連携し、利用者の健康状態や治療方針を共有します。
  • 行政機関:市区町村の介護保険課や、生活保護の場合は生活支援課などと、手続き等で連携します。
  • 地域包括支援センター:地域の高齢者福祉の拠点として、要支援者のプランニングや困難事例について協働します。

まとめ

今回は、ケアマネージャーの具体的な業務内容と、1ヶ月のリアルな仕事の流れについて解説しました。

ケアマネージャーの仕事は、書類作成などのデスクワークも多いですが、何よりも大切なのは、利用者様に寄り添い、様々な専門職とコミュニケーションを取りながら、その方らしい生活を支えるための「調整役」となることです。[1]

利用者様やご家族から「ありがとう」と言われた時や、支援がうまくいき、ご本人の笑顔が見られた時に、大きなやりがいを感じる仕事です。

この記事を通して、ケアマネージャーの仕事について、少しでも理解を深めていただけたら幸いです。

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